ラ・サール学園入試説明会の内容が全て分かる記事【授業見学編】2018年
2018年10月28日に行われたラ・サール学園の入試説明会。ラ・サール学園に在籍する中学生・高校生による学園生活の話や、各教科からの入試説明に加え、授業見学と寮見学が行われました。全国的にも高い合格実績を出しているラ・サール学園の内情は、外部からはなかなか知り難いものです。今回のシリーズでは、授業内容、インタビュー内容、寮見学報告に加え、来年度入試の新傾向についてまとめています。2019年度入試に向け、その要点をすべてお伝えいたします。
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【授業見学編】
午前中に実施されたラ・サール学園生の授業見学。中学生、高校生ともに実施されていたため、それぞれの授業のレベルや授業内容を述べていきます。
高校生
これは中学・高校全体を通して言えることですが、先生によって授業スタイルが千差万別です。黒板に板書をしながら授業を進める先生もいれば、スライドを使用して授業を進める先生もいます。なかには板書等はせず、プリントのみで授業を進めていく先生もいました。これは私たちの持つラサール学園の印象とも一致します。
【1年生】
授業のレベルは鹿児島県内の公立高校とは比べ物にならない難しさとスピードです。
1年生の古文の授業をしていたクラスでは模試の過去問の解説をしていましたが、その模試というのがプレステージ模試です。プレステージ模試は、最難関大学突破(東京大学や京都大学)を目指す学生のために作られた、本番さながらのとても難しい模試です。鹿児島県内でプレステージ模試を例年受けている学校は実はラサール高校のみです(鶴丸高校や甲南高校、志學館高等部なども受けません難しすぎて。)ラサール高校は、当然ですがばっちり受けます。東大目指してますからね。
英語に関しても1年生のうちからセンター試験英語を当たり前のように解いていました。
ラ・サールでは、1年生からこの水準で授業を進めていきます。(実際に、卒業生では、高校1年の3学期には東京大学の過去問が、実力テストに出題されていました。
ゆえに高校受験を経てラ・サール高校に入学した高校組の生徒と、中学受験からの中学組の生徒では、進度にかなりの差が開いています。そのため、高校1年生時には、中学入試組は「A,B,C,D組」、高校入試組は「E,F組」と二つの集合に分けて、別々の進度で学習を進めていきます。高校入試組は、この1年間で中学入試組に追いつかなければなりません。このことについては、別の記事にて言及させていただきます。
【2年生】
2年生からは高校入学組も含めたクラス編成となります。一般的な高校生であれば最も中だるみし易い時期がこの高校2年生なのではないでしょうか。
しかし、ラ・サールの高2生で寝ているような生徒はほとんどいませんでした(授業参観だったからかもしれません。)。積極的に授業に参加している生徒が多く感じられました。授業の雰囲気は、紛れもなく全国区の難関私立高校の水準だと思います。
授業内容は、1年生の授業とは打って変わって特別難しいことをしている印象はありませんでした。むしろ基礎や基本を徹底しているような授業のようにも思います。ラ・サールといえど、やはり基礎や基本をおろそかにしてはいけないという意識があるのでしょう。
とはいえ、この学年ごとの学習内容(難易度やスピード、宿題量、傾注分野など)は、その年度ごとに様々です。これがラサール高校の一つの特徴でもあります。今年の高校2年生が基礎的な学習をしていたからといって、来年度の高校2年生がそうであるとは限りません。
【3年生】
3年生は受験が間近となり、プレッシャーを感じ、精神的にも追い込まれているだろうと思いつつ授業を見学していると、なんと寝ている生徒の数が一番多かったのがこの学年でした。
授業内容は、日頃の予習復習をとにかく徹底させ、学校のカリキュラムで受験に臨むラ・サールのスタイルが確立されている印象でした。古文の授業では9:40終了の授業のうち、9:30まで週テストの解説を行っていました。この週テストがラサール高校の大きな特徴の一つです。極端に言ってしまえば、週テストの水準に合わせられるかどうかが、その生徒がラサール高校の学習に合うか合わないかを分けます。
古文の授業一つをとってみても、いかに週テストを大事にしているかが分かります。そしてラサール高校の古文の平均点は駿台や河合塾等の全国模試において、全国1位、2位が常です。
英語の授業では非常に効率のよい勉強を当たり前のようにできているように感じました。それは授業内で先生がおっしゃられていたある一言に集約されています。
「入試必携英作文の3問目に同じ訳し方があったから訳せないわけがない」
まさにその通りです。
いくら難しい問題といえど基礎や基本の応用でしかありません。一度身につけた問題集をきちんとアウトプットできるか。できなければ復習が足りていないだけ。受験の王道はここにあるのではないでしょうか。
当たり前のことを、当たり前にすることが、実は一番難しいことでもあります。ラサール高校の特徴の一つでもありますが、ラサール高校はある意味で普通のことをしています。もちろん進捗スピードや難易度は高いことが常ですが、そうではなく、一般的に成績が伸びると考えられていることをこれでもかと実直にこなしています。「最新の手法で」や「奇をてらった逆転法」で、などとは全く考えていません。この内容で、これだけのことをすれば、このくらいの学力はつくだろう(東大くらいの)という、《普通のこと》なのです。このスタイルがラ・サール学園の強さの一因でしょう。
中学生
中学生は中高一貫ゆえに高校受験がないため、1年生から3年生における雰囲気にほとんど差異がなく、各学年における特色というよりもラサール中学生の全体の特色というのが色濃く見えてきました。
よって中学生は各学年での特色ではなく、ラ・サール中学生の授業の特色として他の中学校とは明らかに異なる点がありましたので、その点について述べていきます。
【2020年教育改革を見据えて】
ラ・サール学園では2020年の教育改革を視野にいれた授業が行われていました。今回、授業見学をした際、あるクラスでは最初の10分間は教科の話を一切されていませんでした。
その代わりに、論理的思考力・問題解決能力・行動力・応用力など世界的に見た日本人の弱いところをジョークも交えつつ理路整然と語られていました。
そして面白い実験へと移ります。
スライド上に並べられた20個の英単語。それらの英単語はまるで七並べのようにきれいに整列されています。
それを5秒で覚えろというのです。もちろん覚えられるわけがありません。
次は隣の人と二人一組になって協力して覚えろと先生は言います。
そこで生徒たちは、単語の列を右半分と左半分に分けて、一方の列だけを担当して覚える作戦を立てていました。
しかし次のスライドで出てきた英単語は、先ほどの七並べのようにきれいに羅列されておらず、まるでかるたのように雑多に配置されていました。
これでは先ほど立てた作戦は意味を成しません。そしてスライドには次の文字が現れます。
昨日までの常識を疑え
私たちは日々変化する時代に生きており、その変化に対応していかなければなりません。
そのために必要な能力を身につけるための教育改革であり、そのことをラ・サール学園では中学生の頃から学べているのです。
これは将来非常に強い力になるでしょう。
【授業の水準】
授業の質はやはり高いと言えます。
数学の授業における進め方は高校生と同じです。
宿題で解いてきた問題を授業前に黒板に板書し、その解答を先生が訂正していく。
解答の質も訂正の質も高校生に引けを取らないレベルで行われます。
そして中学3年になると高校生の範囲に入ります。つまり2年間で中学課程は終わるのです。質、スピードともに高いレベルで授業が行われます。
それは数学に限った話ではありません。
中学1年生の化学においても、扱っていた内容はイオン結合や共有結合、不対電子など高校分野の授業を行っていました。(生物などは大阪大学の過去問が中学1年生の中間テストで出題されていたファンタスティックな年度もあった気がします。いえ、ありました。)
中高一貫校という特質を生かし、中学生の頃から大学受験を視野に入れた勉強を行っていることが分かります。
まとめ
みなさんいかがでしたか?やはり、ラサール中学・高校の学習内容はとても高い水準です。その水準についていくためには、それなりの覚悟と、それなりの学習時間が必要です。とはいえ、鹿児島県内のどの高校を探しても、彼らの水準で学習できる高校は皆無です。九州県内を探してもあるかどうか。(久留米さんはどうでしょうか)
もし、将来、東京大学や国立大学医学部などの難関大学へ進学を希望するのであれば、大学受験の際にはラサール高校の学生と競合することになるでしょう。厄介なライバルです。
もし、ラサールの学生になっていたとしたら、ほかの高校のことは気にせず、週テストの点数と全国模試の偏差値を伸ばすことに成功すれば、いつのまにか東京大学の学生になっています。(最近は医学部生になるラサール生の方が多いですが。)
そして、週テストがうまくいかなかったり、日ごとの予習が回らなくなってしまったら、我々、ロググラムの出番というわけです。
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