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鹿児島県高校入試が気になったら初めに読むべき記事【筆記試験、調査書(内申点)】

鹿児島県の公立高校入試に関して、その概要は意外にも正確に理解されていないようです。筆記試験や面接、調査書(内申点)など、いろいろな点が考慮されて合否が出るという噂を耳にしたことはありませんか?「筆記試験は450点だが内申点も450点もあり、5教科よりも副教科の方が大事だ!」って私自身も何回か聞いたことがあります。結論から言えばこの意見は誤りです(^^;

では順を追ってすべてを説明していきましょう!

 

 

1、鹿児島県公立高校入試の概要

鹿児島県公立高校入試は「一般入学者選抜」と「推薦入学者選抜」に大きく分かれます。「推薦入学者選抜」とはいわゆる推薦入試のことです。別記事で説明します。「一般入学者選抜」というのがいわゆる一般入試と呼ばれるもので鹿児島の中学3年生は大半が受験するものです。

[日時]令和2年受験用(2020年度受験)

一般入学試験

・3月5日(木)

10:00~10:50国語

11:10~12:00理科

13:00~13:50英語(内リスニング12分程度)

 

・3月6日(金)

9:40~10:30社会

10:50~13:50数学

その後 面接

 

鹿児島県の公立高校入試は二日間に分けて平日に実施されます。

ちなみに推薦入学者選抜(推薦入試)は2月4日(火)と一般入試よりも一カ月早くあります。

 

[場所]出願先の高校

基本的に各中学校ごとに現地集合となっています。

 

 

 

2、鹿児島県統一模試と出願期間の関係

出願期間は毎年数日間の差はありますが2月の上旬~中旬にかけてです。ほとんど気にされてないようですが、鹿児島県公立高校入試においてはこの出願期間が曲者です…。

 

高校受験において初めから模試でA判定が出せ余裕しゃくしゃくで合格できる中学生はほとんどいません。受験生の多くは、夏以降に徐々に学力をつけ始め、秋~冬ごろに模試の結果に表れてきます。例えば3年生の4月には鶴丸高校がE判定であったとしても、12月の模試ではC判定が出ていることは本当によくあります。

ここで注意すべきは、実は鹿児島県教育振興会が実施している県下最大の模擬試験、「鹿児島県統一模試」との関係です。統一模試とは、昴の全九州模試とは違い鹿児島県公立高校受験に完全に出題傾向を合わせた、鹿児島県入試のためだけの模試です。県内の受験者数が最も多い模試でもあり極めて正確な合格判定が出せます。

ここで問題なのが、統一模試の最終回であるプレテストが翌年2月1日に実施されることです。公立高校入試の出願締め切りが2月上旬であるため、大半の中学校では中学校内の提出期限を1月下旬から2月3日ごろに設定しています。つまり願書の出願にプレテストの返却が間に合わないのです。 

上記の例であれば、12月の段階でC判定というのは、かなり悩ましいところです。一般的な模試では、C判定というのは合格率が50%程度に設定されています。このまま鶴丸高校を受験することも、甲南高校に志望校を変更することも考えられます。理想的には、プレテストの結果までみてB判定やA判定が出ていれば鶴丸高校へ出願、C判定のままであったりD判定にまで落ちたりした場合は出願校の変更といった判断がなされたいところです…。

 

実は方法があります。

それが「出願変更」という手続きです。2月中旬から4日間ほど、公立高校入試では出願変更期間を設けています。一人一度しか認められませんが、制度として一度であれば出願変更が認められているのです。これを用いれば、統一模試プレテストの結果まで確認して出願校を最終決定することができます。つまり、出願期間には鶴丸高校で出願しておいても、プレテストが返却されてからその結果次第で、そのまま鶴丸高校受験に臨むか、出願変更期間を利用して甲南高校などの別の高校に出願変更をするか、最大限に正確な情報をもとに判断することができます。出願期ともなるとお子さんもご家庭も必死です。藁にもすがりたい心境であれば、模試一回分の情報、しかも最終回の模試ともなると是非とも確認したいところです。

 

 

3、入試5教科の配点と調査書(内申点)の関係

 

3-1 鹿児島県公立高校入試の試験内容の確認

[学力検査概要]

鹿児島県教育員会が作成した学力検査問題。鹿児島県内全ての高校において全く同じ試験をすべての高校で一斉に行います。つまり、鶴丸高校も鹿児島中央高校も、鹿児島商業や松陽高校なども同一の受験問題を解くことになります。

教科は国語・数学・英語・理科・社会の5教科です。出題レベルは中学3年生の教科書に掲載されている内容が中心で基礎・基本の問題がほとんど。一部、思考力や判断力、表現力が問われる問題も出題されます。

ここまではすでに理解されているご家庭も多いでしょう。

 

 

では次に、合否の判断基準を確認していきます。この記事を読んでいる皆さんの9割以上が完全には理解していないはずです。塾の先生も理解できていないくらい実は複雑なのです。

 

[5教科配点と調査書(内申点)]

一般入試における選抜方法は、「学力検査+面接」及び「調査書(内申点)」によってです。実は学力検査(入試問題)以外にも考慮される項目があります。※調査書は第3学年の記録についてのみ換算し、12月31日現在で作成することとなっています。

では、かなり理解しにくいですが一応公式の要綱から抜粋します。

 

(2)選抜は、調査書(様式4)の「学習の記録」と国語、社会、数学、理科、英語の5教科について行う学力検査の成績との相関及び調査書の「総合所見及び指導上参考となる諸事項」等を総合して行う。また、入学者志願者から自己申告書の提出があった場合は、その内容も勘定する。

(3)調査書の「学習の記録」は、つぎのとおり点数に換算する。ただし、この点数換算は、第3学年の記録についてのみ行うこととする。

学力検査を行う5教科はそれぞれ10点満点、学力検査を行わない必修の4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)はそれぞれ100点満点とし、合計450点満点とする。

(4)学力検査は、各教科それぞれ90点満点とし、合計450点満点とする。ただし、傾斜配点を導入する学科においては[12]傾斜配点の定めるところによる。

(平成31年度鹿児島県公立高等学校入学者選抜実施要項 より抜粋)

 

簡単に言えば、

5教科の学力検査(国語・数学・英語・理科・社会)は90点×5教科の450点満点です。

 

これに加えて、5教科の調査書(内申書)を10点満点で得点化し50点満点とします。さらに、学力検査(一般入試)に課されない4教科も実は点数化されます。音楽、美術、保健体育、技術・家庭は調査書(内申書)の評価を100点満点に換算し400点満点とします。

つまり、調査書(内申点)は50点+400点=450点満点の得点となります。

 

5教科の学力検査(入試問題)のみで合否が決まるわけではないのです。

 

ただ、ここで注意が必要な点があります。

「5教科学力検査450点に、5教科の内申点50点と4教科の400点を加算した900点満点で合否を判断するわけではない」ということです。ここはほぼすべてのご家庭が誤解しているところであり、残念ながら学習塾の関係者でも正確に理解できていないと思われます。

 

3-2 入試5教科の点数+内申点の合計900点満点ではないない

鹿児島県の公立高校入試では、「入試5教科の点数」と「調査書(内申点)の換算点」の和(足し算)なのではなく、あくまで「入試5教科の得点」と「調査書(内申点)の換算点」の相関によって行われます。

 

つまり、「入試5教科の得点」と「調査書(内申点)の換算点」の関わり合いによって判断します、という意味です。かなり抽象的な表現だと思います。「入試5教科の得点」に加えて、「調査書(内申点)の換算点」も考慮しますよ、くらいのニュアンスで受け取っていただいて問題ありません。実際にはほぼ5教科の学力検査の結果で決まっていると思われます。

 

実際の受験指導で、調査書(内申点)が合否にかかわるほど決定的な要因を持つことは稀も稀です。ほとんどありません。特に鶴丸高校や甲南高校においては、ほぼ入試5教科の得点において合否が決まるとみられています。みられていますという表現は、公式の見解は発表されないため憶測であるからですが、ただほぼ間違いないかと思います。県内の大手学習塾も軒並み受験指導のみで入試を突破させています。鶴丸高校や甲南高校以外の高校においてはある程度考慮の対象になってはいる高校もあるとは思いますが、ただ「入試5教科の得点」で合格点を超えている場合に、調査書の換算点が多少低いため不合格になるようなことは基本的にはないと思ってよいと思います。そもそもこれほど内申点の配点が大きければ、毎年のように合格最低点を大きく上回っているのに不合格になる生徒が一定数いるはずです。医学部受験の大学入試では合格最低点を上回っていても、面接で落ちる学生が一定数いるようにです。もちろん鹿児島県の高校入試ではそうなってません。

例外的に補導歴があったり、5段階評価で1がついている場合などは深刻になり得ます。それ以外はほとんど気にしなくて良いでしょう。

 

 

4、まとめ

今回は、鹿児島県公立高校入試についてまとめました(^^♪

学校の先生からの情報と塾からの情報が食い違っていていることも多いです。実際のところはどうなのか迷うことも多々あると思いますが、上記ので説明した通りであると思ってください。副教科(美術、音楽、保体、技術・家庭)は実際に400点満点で得点化されていることは事実です。ただそれを単純に筆記試験の国語・数学・英語・理科・社会の合計点数に合算するわけではないという点がポイントです!

国語・数学・英語・理科・社会の学力検査の合計点で限りなく合否がきまり、副教科の400点も合否を出す際に考慮の対象となると考えておけば特に問題はありません。

副教科をおろそかにしろと言っているわけではありません。ただ実際の受験ではこうなっております(^^)

 

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